織倫の通常の裂織帯より、たて糸の密度を半分にすることにより、
着物の色がはっきりと見えてきます。減らした分の強度は玉糸を
使用することで補えます。
通常一匹の蚕が一つの繭をつくりますが、二匹の蚕が一緒に一つの
繭をつくることがあります。
これを玉繭といい、二匹の蚕が吐いた糸は複雑に絡み合っている為、
手作業の座繰りでしか 引けません。
所々の節のある丈夫な糸は、長繊維糸のため光沢感があり、牛首紬などに
使用される、高価で貴重な糸です。よこ糸には、手つむぎのまわたと、
通常より多くの着物を織り込んであります。
黒地に、目の覚めるようなコバルトブルーの着物をポイントに、
青系、紫系、茶系で雲柄を表現しています。大島紬の部分に
アクセントとして銀糸を織り込んであり、
照明などの光の加減により、さりげなくキラリと光り、目を引きます。
花織の、藍染のお着物に合うようにとのご要望でした。
お太鼓の裏の返し部分には、落ち着いたトーンの数種の桜色で
縞にしてあります。細部に気を計らったこだわりの 逸品です。
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